今回はトラバースの基本の話になります。
この後のステップに進むために重要な内容になっているので、長いですがお付き合いください☕️
先ずは緩くて広い斜面を見つけて練習します。
平坦な場所でターンをするのと同じように、ステアリングを逆に切って、車体を傾けます。
そしてそのまま大きく円を描くように一周してみます。緩い斜面でそれを行った場合、一周回る間に
①上りの区間~
②斜面に対して谷側に傾いている区間~
③下りの区間~
④斜面に対して山側に傾いている区間
このように状況が変わるはずです。
そして④の[斜面に対して山側に傾いている状態]をキープして走れば斜面を横断できるということになります。
ライディングフォームは普通のスタンディングポジションで、傾けたい方向のステップに荷重をかけます。
この姿勢のまま、行けるところまで斜面を横断してみましょう。
スピードは、速すぎても遅すぎてもバランスをとりづらくなるので、適度なスピードをつかめるまでいろいろ試してみます。
写真や映像でよく見る、片足でステップを踏んで、もう片方の足を外に出しながら乗るフォームは、まだ使いません。
最初から片足を出すフォームをやってしまうと、ステアリングとスロットルでマシンをコントロールすることが身に付かないで、力任せな乗り方になって疲れてしまうからです。
片足のフォームで乗るのには別の理由もあるので、それはまた次回に。
雪質は、新雪の方がスキーが埋まってくれるのでやりやすいですが、いろんな雪質でもできるようになりましょう。
硬い雪質でも横断できるようになれば斜面の角度に対して、マシンのバランスの取れる位置がわかってきます。
ここから具体的な操作について解説します
トラバース中のバランスを保つには
■1.バランスが取れているとき
(安定状態)
・わずかにステアリングを左右に切りながらバランスの微調整
・山側のステップに全体重を乗せるようなイメージで、片足立ち状態をキープする(シートは跨いだまま)
・一定速度で進むとバランスを保ちやすい。スロットルは、車速が一定になるように調整する。速すぎず、遅すぎず、加速減速をなるべくしないように。
■2.マシンが谷側に傾いて下を向き始めたら
・ステアリングを谷側へ切る
・山側のステップを強く踏み込むと同時に、
スロットルを開けてトラック回転を一瞬加速させる
・元のラインに戻れたら■1.の安定状態での操作に戻る
■3.マシンが上を(山側を)向き始めたら
・ステアリングを谷側へ切る
・山側へ踏んでいたステップ荷重を緩める
・車速は一定
すると、マシンは谷側(下側)に進み始める
↓
ステアリングを谷側へ切ったまま、山側のステップを踏み、スロットル開けてトラック回転を加速させる(■2.の動作)
↓
バランスが取れる
この繰り返し作業で、どこまでもシート跨いだままのトラバースを維持できます。
谷側へバランスを崩した時の修正よりも、山側を向いてしまった時の修正の方が難しいです。
ここで動画をひとつ
動画を見てもわかるように、片足外しやハンドルを引っ張る動作はしなくてもトラバースはキープできます。
1人目のライダーは、途中で左手を放してカメラにアピールまでしちゃう余裕ww
これは完全にバランスがとれている証拠ですね。
スロットルワーク、ステアリング操作、ステップ荷重、この3つをタイミング良く操作するのが最大のポイントになります。
これを理解することで、後の上達スピードがかなり違ってきます。
▼この写真のようにキツイ斜面でも常にマシンのバランスを保つことによって、身体の動きは最小限でトラバースをキープする事ができます。(乗っているのは超上手いライダーですがww)
繰り返しになりますが、
●スロットルワーク
●ステアリング操作
●ピンポイントのステップ加重
この3つの操作を中心にマシンをコントロール。
そして必要な時にだけ、腕力や体重を使って大きなアクションを入れる。
これこそが疲れにくくて、スムーズなトラバースのコツだと考えています。
むしろ、山でのスノーモービルのライディング全てに当てはまるかも知れません。
実はこのトラバースでの基本動作は、めちゃくちゃ雪の深い日でトレイルの2台目、3台目を走っている時に練習する事ができます。
先頭の走った跡(トラック跡)の左右どちらかの壁をトラバースの斜面に見立ててバランスを取りながら走ると、自然と基本動作が身に付きます。
このあたりの話になると、さすがに文章だけでは表現できないので、興味ある方はスキルアップ練習会へのご参加お待ちしています!
6.3へ続く
※この説明はSki-DooのSummit系など、マウンテンに特化したスノーモービルに乗っていることが前提の話です。
車種によっては乗り方が全く違うのでご了承ください。