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2019.10.18

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バックカントリースノーモービル入門 6.3 トラバース応用

 

 

トラバースの話は文章にするの難しいですね。

 

ここからの内容は賛否両論あると思いますので、あくまでもTKKYの考え方だということで参考までに読んでみてください。

 

 

 

 

これまでの説明で、スノーモービルを自由に操るにはチカラや体力よりもバランスが重要だという事を書いてきました。

 

バランスとは、それぞれの場面での適正なスピードコントロールであったり、走行ラインであったり、斜面に対するマシンの安定角度でもあります。

 

これらのバランスがいつもとれていれば、ライダーは最小限のチカラで、マシンを操作できるのです。

 

そして、いざという時にチカラや体力を上乗せする事で、さらに高いパフォーマンスを発揮できるのだと思います。

 

それらを踏まえて、実際に走る様々な地形でトラバースを使ってみましょう。

 

 

 

 

次のステージは、「どんな状況からでも、狙った場所で車体を好きな方向へ向けられること」です。

 

1つこんな場面をイメージしてみましょう

 

下り坂を真っ直ぐ進んで行くと、ある場所から急に崖になっていました。

マシンは完全に真下を向いてしまっているので、そこからバックする事もできません。

ならば左右どちらかに向きを変えて斜面をトラバースするしか方法がない状況です。

周りを見渡すと、左側に進めばその先が楽そうでした。

 

この場面から左側へ向かって、安定したトラバース状態に持っていきたい訳なんですが、、、

崖が目の前なので、なるべくマシンを前に進ませずに車体の角度を山側(左側)へ傾けたいですよね。

 

▼こんな場面でこそ、通常とは反対側のステップを踏んで片足を外に出すあの乗り方が必要になるんです。

 

 

 

 

このフォームを使えば

シートを跨いだ状態よりも、さらにステップへ体重を載せる事ができるため、一気に車体を倒し込んで、そのままの深い角度をキープしやすくなります。

さらに、トラバース状態でゆっくり進むことができるため、リスキーな場面でいつでも止まれる安心感があります。

 

下りに対して真下を向いた状態からでも、マシンが前に進む距離を最小限に抑えつつ、左側へ向きを変える事ができます。

 

しかしこのフォームってなんて呼べばいいんでしょうか?

「片足出し」? 「片側乗り」?

 

アメリカだと「Wrong Foot Forward」間違った脚

っていうみたいですが、、、

 

日本での良いネーミングがあったら良いな〜と思いました。

 

 

 

 

この場面での操作方法です。

 

1. 下りに対して真下を向いた状態から、先ずはハンドルを右に切ります。完全に右端まで切ります。

 

2. 右足で左のステップを踏みます。左足は車体の左側で浮いた状態です。

浮いた左足を振り子のように使って左側へ一気に体重をかけつつ、右足でしっかり左のステップを踏み込みます。

 

3. それと同時に、右に切ったハンドルの角度はそのままで両手でハンドルを左側へ引っ張ります。マシンを力づくで左側へ倒すイメージです。でもチカラだけでは簡単に傾いてくれません。そこで1番重要なのが次の4.になります。

 

4. 3.の動作のタイミングに合わせて、わざとトラックを空回りさせるようにスロットルを大きく開けます。

 

これは前に進むためのスロットルではありません。

あえてスタックさせるような、雪を掘るスロットルワークです。

 

この時、車体は左側へ引っ張られながらトラックは急に回り出して、雪を下側へ掘ります。

するとマシンは前にはあまり進まずに、トラックが雪を掘った分だけ車体が左に傾くのです。

 

もし、雪を掘るのが上手くいかずにマシンが前に進んでしまいそうになったら、すぐにブレーキをかけてトラック回転を止めれば大丈夫です。

 

 

 

 

 

 

トラックを回すタイミングが上手く合えば、車体を腕で引っ張るチカラはほとんど使わずにマシンの向きを変える事ができます。

 

なぜなら、スノーモービルの傾きはトラック真下の、雪の状態に左右されるからです。

 

だからトラックを空回りさせる事で、雪を掘りながらトラック下の雪のカタチを整える事ができるんです。

 

あとは、そのまま斜面に対して安定する角度を保ちながらトラバースで進んで行きます。

 

安定してトラバースで進んでいる間は、外側に出してある左足は引きずるような感じで、体重は右足だけに乗っています。

 

 

 

 

途中で止まりたい時は、走行中よりも車体を山側へ深く倒し込んで、浮いていた足を雪に着いて止まります。

 

※トラバース中に止まると、車体の重心は前側へ移動してしまうため(スキーに荷重がかかる)走行中よりもマシンを深く傾けておかないと、谷側へ倒れてしまいます。

 

 

 

 

一旦止まって、再び走り出す時には、深く傾けていたマシンを少し谷側へ戻して雪を掴んでからスロットルを開けます。

 

傾きが深いと雪に対するトラクションが弱まるため、再発進出来ずにその場でトラック下の雪を無駄に後ろへ飛ばしてしまうことになるからです。

そしてトラック下の雪が無くなってしまうと前にも進めないし、車体の角度を谷側へ戻そうとしてもトラックが雪に着かないのでマシンは谷側へ落ちてしまいます。

 

 

 

 

今回は下りの途中で一旦止まってから、トラバースに入るやり方を説明しましたが、文章だけだとわかりにくいので動画も作りました。

 

 

 

 

これを応用すると、下り坂からUターンして上り方向へ進む事もできるようになります。

下りのUターンを自在にできるようになると、山での自由度が格段に上がるので、是非とも身に付けてもらいたいと思います。

 

 

後はいろんな場面でトラバースの経験を積んでいきましょう。

 

▼急な斜面ではトラクションをかけにくいし、マシンが上を向きやすいから難しい!

 

 

 

 

 

▼登りながらのトラバースや、トラバース中のスピードコントロールを失敗するとスタックしやすいです。

これはスピードが足りなかったパターンでした。

 

 

 

▼わりとヤバめのところでトラバースしてたら途中でトラックが下にずり落ちてしまったところ

この後のリカバリーがめっちゃ大変そうでした、、

ちなみに、危ない場所だったので助けに行くのもなかなかリスキーです。

 

 

 

▼スロットル開け開けの、動きのあるトラバース。

スタイル出てますねー

 

 

 

▼急斜面になるほど、止める時の角度もキツくなるので、再発進するのが難しくなります。

 

 

 

▼達人になると、こんなエグい場所でも躊躇なく進んでいきます。こわっw

 

 

 

▼これも超ヤバイやつですww

雪質カチカチの超急斜面をトラバース斬りながら登ってしまいました。

完璧なバランスとスピードコントロールができていないと、失敗したらもうゴロゴロ転がって一番下まで止まらなくなるパターンの場所ですね。

 

 

こんなふうに上手くなれたら楽しいでしょうね〜

 

ご要望があれば、上手いライダーをゲストに迎えてのスキルアップ練習会も開催できますので、この冬は是非〜

それと、この練習会はTKKYでマシンを購入していなくても参加できますので、お気軽にお問い合わせ下さい!

http://takakiya.com/skillup/

 

 

7へ続く