2020 ski-dooスキードゥーのマウンテンスノーモービルには
●SUMMIT X EXPERT(サミット・エックス・エキスパートパッケージ)と、
●FREERIDE(フリーライド)
という2つのハイパフォーマンスモデルが設定されています。
今回は、お客さんからもよく聞かれるこの2台の違いについて説明してみたいと思います。
EXPERTエキスパートはベース車両のSUMMIT Xサミット・エックスに、バックカントリーライダーが求めるカスタムパーツを最初から盛り込んだ、いわゆるコンプリートモデルです。
スバルで言ったらSTIスポーツ、トヨタだとGRスポーツ、ホンダのモデューロX。
みたいな感じですかね?
ベースとなるサミットXはそのままでも十分バックカントリーを走れるマシンですが、やはり好みに応じていろんなカスタムパーツに交換して乗っていたライダーが多かったと思います。
エキスパートは、その辺りの有効なパーツが最初から装着されているので、お買い得なモデルだと言えます。
ただ、エキスパートの装備はバックカントリーで深い新雪のコンディションを走ることを想定しているので、そこに特化したパーツチョイスです。
日本でこのモデルが最も多く売れているのは、日本のスノーモービルユーザーのほとんどがこの想定の使い方にピッタリ合っているからでしょう。
しかしあくまでも市販モデルなので、さらに良いパーツを取り付ける余地も残っていますねw
▼こちらはフロントバンパー、リアバンパーをさっそく交換した車両です。
一方、FREERIDEフリーライドはというと
FREERIDEフリーライドは同じマウンテンモデルとして、サミットXとの共通点も多いですが
基本的に別の車種ということになっています。
これは私の予想ですが
メーカーとしては、名前や仕様やカラーリングで区別することによって、より特別なモデルであるということを強調したいんだと思います。
日本では全くの説明不足で、まだ多くのユーザーがフリーライドの良さを理解できていないように思います。
そういう私も2019モデルのフリーライドに乗るまでは、あまり魅力を感じていなかった1人ですww
フリーライドの魅力その1
スペシャルなカラーリング
2019モデルのフリーライドもそうでしたが、フリーライドは他の車種に比べてとにかく目立つカラーが採用されています。
いくら性能的に優れたマシンでも、カラーリングが気に入らなかったら購入意欲は半減します。
カッコいいカラーやデザインは、実はものすごく重要な要素だと思いますね。
フリーライドの魅力その2
スペシャルなサスペンション
フリーライドにはレース用のスノーモービルにも使われているめっちゃ高性能なショックが標準装備されています。
フロントショック【KYB PRO 36 R】
センターショック【KYB PRO 40】
リアショック【KYB PRO 40】
これらのショックは、工具を使わなくても赤いダイヤルを回すことで、簡単に減衰力の調整ができます。
エキスパートにもハイレベルなショックが装備されていますが、フリーライドの方がさらに高性能なショックを使っています。
この調整機能を完全に使いこなすのは実際難しいかもしれませんが、そもそもショックの減衰容量が違うため、初期設定のまま乗っていても十分高性能ショックの恩恵は受けられます。
例えばフロントショックの違いで言うと
トラバースをしている時、走行ラインの途中に雪面の凸凹がきつい場所があったとします。
スタンダードのサミットでそこを通過する場合であれば、雪に食い込んでいる方のスキーが凸凹に弾かれてトラバース状態が崩れてしまったり、ハンドルに強い衝撃が来て手首や腕が疲れたりすることがあります。
ところがフリーライドで同じ場所を走ると、あまりスピードを落とさずに凸凹を通過してもスキーが弾かれないで安定した姿勢のままトラバースをキープできます。
その際のハンドルにかかる衝撃もわずかなので、疲れにくいです。
センターとリアのショックは、ジャンプの着地や地形の変化にフロントアップ状態でぶつかる時、トレイルのギャップをハイスピードで通過する時などに多く働きます。
通常のサスペンションだと、この時の衝撃によって足がステップから離れてしまったり、サスが底付きしてリアのスライドレールが曲がってしまったりするようなリスクがあります。
なので大容量のリアショックは、乗っていて違いはわかりにくいかもしれませんが、走りに安心感を与えてくれます。
▲これは2020モデルから登場した軽量スピンドル エキスパートにも採用されてます。
トラバースの時のスキーの角度変化を抑える役目もあるみたいです。
まだ乗ってないのでわかりませんがw
フリーライドの魅力その3
ライダーの好みに合わせてカスタムできる要素が、あえて残してある
エキスパートでは、低いハンドルが標準であったり、リアのトンネル(フレーム最後部)が短くなっていたりとかなり特殊な仕様です。
やはりその仕様がピッタリ合うライダーには良いのですが、それより通常の仕様の方が自分の好みに合わせやすいと言うこともあるでしょう。
その点フリーライドは、サスペンションや斬新なカラーリングといった、マシンの基本性能の部分を高めて「他は好きにいじってくれ」という作り手からのメッセージなのかなと考えています。
つまり、FREERIDEフリーライドはスタンダードのままでも最高に良いマシンだけど
乗り手のこだわりを持ってさらにカスタムすることによって、EXPERTエキスパート以上に尖ったマシンに作り上げる楽しみが残されたモデルなんだと思います!
そして、、今シーズンのTKKYデモマシンはFREERIDE 165です。
ちょっと特殊なカスタムを計画しているので、完成したらご紹介したいと思います。